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3,000m級の山に登るとき

各地(各山)で開山祭やお山開きとなり、これからが夏期登山のシーズンとなりました。
最初は、近くの低山に登っていたが次第に高い山、つづいて北アルプスなど3,000m級の高所登山にエスカレート。初心者がいきなり3,000m級の山に登ることはないと思いますが、平地と3,000m級の山との違いについて説明します。


気温

気温は、100m上昇すると0.6℃低下、風速1m/Sec風が吹くと体感気温が1℃低下します。
したがって、平地で仮に30℃、上空に寒気が入っていない、無風の場合、3,000mの地点では、30−(3000/100)×0.6=12℃となります。
もし、風力3(木の葉や細かい小枝がたえず動く。軽く旗が開く。=風速3.4-5.4m/Sec)では、体感温度が3℃から5℃低下しますので、3,000mでは、体感温度が9℃から7℃になります。
風力5(葉のある灌木がゆれはじめる。池や沼の水面に波頭がたつ。=風速8.0-10.7m/Sec)では、体感温度が4℃から1℃となり冬山登山のジャケットなどが必要になります。

気圧

高度と気圧の関係は、気圧そのものの変化、気温、湿度などによって一律には表すことができませんが、高度計など一般的目安として、平地(0m)で1013hPaのとき、標高100mで約1001hPa、500mで954hPa、1000mで890hPa、1500mでは845hPa、2000m−795hPa、2500m−747hPa、3000m−700hPaで、1hpあたり9mから12mの高度差として表示されているようです。
なお、対流圏内では大気を気温減率6.5K/kmの多方大気と仮定して状態方程式と静力学方程式(静水圧平衡の式)とから求められる式として、

   p=p0{1-0.0065h/(t0+273.15)}^5.257
          p0:地上気圧(hPa)
          t0:地上気温(℃)
          h:高度(m)

つまり、平地での気圧が1気圧(1013.25hPa)、気温が15℃のとき、3000mでは、おおよそ700hPaとなるわけです。

酸素濃度

酸素濃度は、0mで100%としたとき、500m−94%、1000m−88%、2000m−78%、3000m−68%、4000m(富士山)−60%、5000m−53%、10000m−26%となり、北アルプスでは酸素が20〜30%、富士山では40%近く少なくなっています。
したがって高度が上昇するにしたがって血中酸素が低下し、人体に悪影響を及ぼします。

気象

気温気圧などもこのなかに含まれますが、気温・気圧・酸素濃度の低下にともない雨・風・雪・雷・氷など通常平地では体験したことがないような気候に見回れることがあります。
大粒の横なぶりの雨、人など吹き飛ばすような風、ホワイトアウトが発生するような大雪、岩場に沿って走る雷、雹のような大粒の氷などに遭遇することがあります。




このように標高が高いところは気温、気圧、酸素濃度が大幅に減ってきます。
低圧、低酸素状態になると(一般的には2000m以上)頭痛や吐き気など、山酔いと呼ばれる症状が見られ、急性高山病の初期症状にかかる人がいます。
とくに急性高山病の原因は高所の低酸素であり、低酸素によってさまざまな症状が発生します。
急性高山病は、登山者すべてかかるわけではなく、個人(個体)差が大きく発症する高度にも個人差があるようです。
ここでは、急性高山病の症状、対策、疾病対策について掲載します。


症状

1:急性高山病の前触れ、 倦怠感(からだがだるくなる) 遅い歩み 就寝中の呼吸のみだれ 息切れしやすくなる 足が重く感じられ遅い歩みとなる トイレが近くなる(頻尿)。

2:初期の急性高山病、 頭痛・立ちくらみ 不眠・何度も目覚める 食欲がない 気分がわるい むくみがある 排尿の量が少なくなる。

3:中期急性高山病 激しい頭痛 激しいめまい 悪寒 手足や顔の腫脹 空咳、乾咳 息切れ 吐き気・おう吐 疲労・脱力感頭痛 食欲不振

4:後期急性高山病 高所肺水腫、高所脳浮腫になり3000m以下でも、まれに脳や肺に水がたまる症状をともない、死に至る場合もありまする。
高所肺水腫の症状は、安静時の息切れと空咳から泡を伴った咳が特徴的で、高地脳浮腫は、頭痛から意識障害、精神錯乱、奇異な行動、さらには平衡障害や運動障害によって歩行困難となり、悪化すると意識が消失し昏睡状態になり、ついには死に至ります。


急性高山病にかからないために

1:2000m以上の高い山に登らない。でも、3000m級のアルプスの魅力には負けてしましますが・・・。
2:ゆっくりと呼吸し、なるべく深呼吸を多くすること。(肺の奥まで空気を送り込むつもりで)
3:とにかくゆっくり歩くこと。疲れを感じたらとにかく休憩し、急激な運動は避ける。
4:過度の飲食を控え栄養価の高いものを食べ、胃腸の運動量を低下させる。(腹八分目以下)
5:飲酒、喫煙を控え、できれば喫煙をしない。
6:興奮したり、怒ったり、イライラしないよう穏やかにする。
7:できるかぎり長時間ベースキャンプ(山小屋など)に留まり体を慣らす。一気に高度を上げず、とくに中高年者では一気に2000m以上の高所には行かない。
8:できれば、2000m以内をベースキャンプにして行動する。
9:普段から体力づくりをし、水分を十分に取り(1日2リットル程度)、脱水症状を防ぐこと。
10:循環器などに問題のある場合はできるかぎり登山を控え、それでも登山の場合は、必ず出発前に医師の検診をうけ相談すること。
11:貧血症の人は、出発前に医師に相談されるとよいでしょう。


もし急性高山病になったら

1:高山病の症状があれば、それ以上高い地点に上がらない。
2:安静にしてみる。休んでいても症状が回復しないとき現在地より低い地点に下りる。
3:軽い頭痛程度なら、鎮痛剤を服用する。(高山病の場合あまり効果がないと思いますが・・・。)
4:高山病の予防薬「ダイアモックス(Diamox)」を服用する。ただし医師の処方に従うこと。間違った使用は逆効果。
5:酸素ボンベの使用を利用し、酸欠状態を緩和する。
6:山小屋など常駐している場合、現地の医師の診察を受ける。
7:費用がかかりますが、状況によっては、救助体の援助をうける。


カシオ計算機株式会社の標高から気圧を計算または、立正大学地球環境科学部環境システム学科 中川清隆研究室の気圧の高度分布の計算では、登山目標値の気圧、気温、空気密度を調べることができます。
0mでの値と目標値での値を参考にすると、変化が理解できると思います。

asunarouさんの「山歩きアラカルト」では、高度差(標高差)による大気圧・酸素・気温・沸点の変化。高山病や遭難の危険。中高年のための「安全登山」などについて掲載されたデータがあります。
安全で快適登山の参考になると思いますのでご活用ください。



◇筆者のつぶやき

筆者も20代の頃夜行で松本・新島々・上高地を経由し、その日のうちに穂高岳山荘に泊まり翌日奥穂、前穂、岳沢下山し帰京。また、山荘から西穂、新穂高と回り帰京したことがあります。
50歳台に入っても夜間車を走らせ沢渡にて仮眠し、上高地から北穂小屋泊、翌日大キレット槍ヶ岳、殺生小屋で泊まり翌日下山し帰郷。若かったとはいえ、万全の装備での山歩きのつもりでしたが、自由時間の確保できない登山計画で高山病なんて気にしないで登った無謀な記憶があります。
北穂、槍縦走登山では、家内とともに歩いたのですが、家内は軽い高山病にかかりそのときはじめて急性高山病の怖さを知りました。
現在ではこの教訓を生かし無理のない余裕を持った登山を楽しんでいます。