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雪山は危険?

剱岳の雪崩:早すぎる死、悼む 山岳警備隊・丸山警部、警察葬 /富山 と題して毎日新聞から6月8日(水)配信されたなかで、

剱岳で今年2月、訓練中に雪崩に巻き込まれ死亡した県警山岳警備隊員、丸山政寿警部(当時45)の警察葬が7日、黒部市の市国際文化センター・コラーレで営まれ、遺族や警察、山岳関係者ら約500人が参列して冥福を祈った。
丸山警部は1992年に県警に入り、翌年山岳警備隊に入隊。
多くの山岳救助に活躍してきた。
会場では黙とう後、萓嶋満津保(かやしまみつほ)・県警本部長が「限りない惜別の情をささげます。
こよなく愛した山の懐で心安らかに眠ってください」と追悼の辞を述べた。
また、高瀬洋・山岳警備隊長は「『山で死んだらだめや』というあなたの信念を実践すべく、任務にまい進することを誓います」と涙声で弔辞を述べ、早すぎる死を悼んだ。

と報道されました。

山岳技術、装備、情報網をもった山岳救助の警備隊でさえ、このように雪山は、危険と隣り合わせのであることを思い知らされました。

したがって、ほんとうに雪山は危険なのかと質問されれば、「ズバリ!危険」であると言わざるを得ません。
「冬山なんてどってことないよ!」なんて安易に考えている人はいないでしょう。

とくに雪山登山は、非積雪期の登山にくらべ歩行時間が長くなってきます。
夏期は、日照時間が長く4時ころまで明るいと思いますが、冬季の場合、午後3時を過ぎると周りが暗くなって気温が一気に低下します。
そのため、食料、燃料、防寒対策の衣類や装備、非常用装備などが必要となり、また防風と寒さに耐えることができる体力と精神力、持続力が必要となります。
したがって、非積雪期(夏山)登山の1.5倍以上の体力が必要となることを自覚することが大切です。
そのようなことから、多くの装備品が必要となり大きなザックを背負い、厚手の靴下、保温性防水性の高いプラスチック製の登山靴、さらにアイゼンを装着しなければなりません。
自然現象では、北からの冷たい風などによって気温の低下とともに体温が低下し体力が消耗、集中力が低下します。
これらから身を守るため装備や体力の維持に注意しまければならない上、知力、天気(気象の変化)を読む力、地図を読む力など的確な判断力が求められます。
これらのひとつが欠けても、遭難などのリスクが高くなってきます。

このようなことを書けば、危険だらけの雪山のように思ってしまいますよね。
でも、雪山登山では夏山にない魅力があります。
登山者にとって、一度は雪山の魅力を堪能したい願望、憧れがあると思います。
そのためにケガや遭難のリスクを少なくするため、重い荷物を背負った加重トレーニングや寒さに耐えられる体力づくり、雪崩に関する雪層の調査やコースの選び方、アイゼンを装着した歩行やピッケルワークなどの技術の習得が必要です。
そして、経験豊富な指導者のもとで現地での訓練を行い、リスクの少ない山での登山からはじめることが大切です。
もちろん、単独行ではなく経験者と同行しなくてはなりません。

※(訓練を重ね、徐々に難易度の高い山に入り、山を知る、山を読む力を習得し、滑落など危険に遭遇しない登山技術を身ることが必要です。
もちろん気力、知力、体力、集中力のいづれかのひとつでも欠けるるようであれば、撤退もしくは中止することが賢明です。
夏山登山のように、初級→中級→上級コースへと移行しないことも大切です。)





知識と思い

1.雪山は荷物が増えザックも大きくなり重量が増し、より体力が必要となります。

2.夏山(比較的低い山、7月〜8月ころ)で遭難した場合、非常食、ビバーグ装備があれば数日は耐えられることができますが、雪山ではさらに暴風対策としてツェルトやスコップ、ザイル、保温対策として厚手の衣類やコンロなどの暖房器具、化学保温剤などが必要となります。
体温の低下をまねくと短時間で凍傷にかかったり、死に至ることがあります。
これらを装備、装着するために、大きく重いザック(荷物)を背負わなければなりません。

3.雪山では下草、低木などが雪に埋もれてしまい風や紫外線が直接体に当たります。
したがって稜線を歩くような環境ですから強い風が吹き抜け体力や集中力が低下し、事故や遭難のリスクが増えてきます。

4.雪山では、ピッケルを使うことが一般的。
ピッケルを持つということは、ストックでの夏山に比べて雪山での危険度が増していますので必ず持参しましょう。
また、ピッケルワークも大切ですが、雪があれば雪崩は発生する。
常識にとらわれないで先行パーティのトレース、トラック(シュプール)があるから安全なんて考えてはいけません。
常に気象、気温、地形、雪質などこまめに観察しなければなりません。



5.入山前、天気が悪い場合は、中止する。
登山中ホワイトアウト状態になったとき無理して歩かない。
近くに山小屋、避難小屋などがあっても視界が悪いときは無理して歩かない。
できれば大きな木が近くにあればそこに留まって視界が良くなるまで待機する。
下山できるようであれば引き返すかエスケープルートを歩いて退避する。

6.リスクの少ない山で、経験豊富な信頼できるリーダーからアイゼン、ピッケルワーク、歩行訓練をしておく。

7.初級者でも比較的安全な雪山歩きの秘訣。
  1.アプローチが短かく、入山者が多い山
  2.トレース、トラック(シュプール)がある。
  3.天候が比較的安定している。
  4.雪質が安定し弱層がなく積雪量が比較的少ない。
  5.急斜面が少なくUP/DOWNが少ない。
  6.トレースが凍結していない山。
  7.入山者の多いメジャーな山
上記の条件を満たしていれば安全とは限りませんが、トレースが無く入山者の少ない山、天候が悪いとき、積雪が多く弱層の山には、初心者はもちろんのこと経験者でも入山しないことが賢明だと思います。

総 括
雪山登山は、夏山を歩いた山、経験豊富なリーダー、息のあった仲間とパーティーを組み単独登山は避けましょう。
また、毎年積雪、気候状態が変化しますので、今までだいじょうぶだったからなんて考えないで、たえず細心の注意をはらいましょう。
多くの経験を積んでレベルアップを目指しましょう。


最後に「雪崩は予測できるのでしょうか?」
雪崩は正確な予測は難しいと思います。日本は南北に細長く世界の地形(海洋)が凝縮し地域、山域による雪質の違いが大きく同じ降雪量でも日本海側北海道から北陸・信越、山陰)と太平洋側では、安定度が全く異なります。
また雪崩が発生する要因は単純ではなく、複合的な要因(弱層、風量、風向、日射量、陽光の向き、気温、気圧など自然環境のほか、登山ルートの選び方、スキー・スノーボードによるものなど)が複雑に作用して発生します。
したがって雪崩の予測には決定的な答えはありません。
雪氷学(せっぴょうがく)を学びその都度観察を続けながら、足の裏でその感覚を磨き、科学的根拠と体験に基づき、雪山をめざしてください。


参考までに

36.6℃:健康な人の基礎体温 身体細胞の新陳代謝が活発で、健康で活動的、免疫力も高く、ほとんど病気をしない状態を保つ。新陳代謝→100%

35、5℃:低体温 自律神経失調症で排泄機能低下や、アレルギー体質など新陳代謝が不活発。遺伝子の誤作動が多くガン体質といえる。ガンは35度を好む。新陳代謝→50〜60%

34℃:生死の境 海難救助で救出後、生命回復ができるかを判断する体温。自分で自分の体を自由に動かす事ができない体温。新陳代謝→10%以下

33℃:死の入り口 山で遭難し、幻覚が出てくる体温。死が目前です。新陳代謝→ 0%?



◇筆者のつぶやき

私も雪山に魅せられた一人かもしれない。
あの、加藤文太郎氏のように、毎日重い石を詰めたザックを背負って早足で歩き通勤する。
また、ビバーグのとき雪崩から身を守るためザイルで体を大きな木に結んだ。
決して無謀なことはしない(単独行の場合は?)軽くて長時間に耐えるため小魚の煮干しをポケットに忍ばせておく。
現在の登山には不釣り合いな感じがしますが、なにか感じるところがあります。

ここ数年雪が少ない状態で近くの山にも積雪がゼロってことがあります。
窓越しに見える山の稜線が白くなると、寒い一日の始まりなんて思うより、以前に登った白嶺の美しい情景を思い浮かべ感傷的になります。

からだのつづく限り雪山登山を続けて行きたいものです。