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ビバークとは?

ビビバークは、2種類あって、あらかじめ予定していたビバークは【フォーカストビバーク=露営】Forecast biwak(ドイツ語)といい、一般にトラブルに遭って予期せぬ野宿をすることを【フォーストビバーク=不時露営】Fastbiwak(ドイツ語)といいます。
ここでは予期しなかった場合のフォーストビバーク(Fastbiwak)についてお話します。

天候異変や怪我、ルート逸脱・迷いなど不時の理由などのため動きがとれず、緊急露営をしなければならなくなった状況をフォーストビバークと言います。
フォーストビバークであh、予期せぬ天候(雷雨、豪雨、猛吹雪など)や怪我・病気などに見舞われ正常な行動ができなくなる前に適切な判断が求められます。
無理を押して行動し、体力、気力を消耗することが無いように早めの判断が重要です。

疲れきってからでは、冬山の寒く長い夜を乗り切ることは出来ません。
ビバーグは決して恥じらうものではありません。
危険を察知したら、ビバークするのかしないのか?、ビバークする場合、どこでどのようにするのか判断を早めに下さなければなりません。

でも、大多数の登山者は、退社後、または休日に山に入り、休日明けには仕事が待っています。
下山しなければ翌日の仕事に間に合わなくなってしまいますよね。
もし仕事に間に合わなければ、職場や、お客様に迷惑をかけてしまう。
そのような訳で、つい無理をして計画を強行してしまうようになります。

遭難事故のほとんどは、計画を強行してしまうことによるものと、判断力の甘さによって発生しています。
このように、多くの人名が失われ遭難救助の費用が請求されてしまい、多くの方々に迷惑をかけてしまいます。



冬山の場合のビバークのための装備や場所

雪山でビバークをしなければならなくなったとき、寒さ対策が一番です。
雪山では、気温の低いアウトドアでは、冬の冷たい風にさらされれば体温が急激に低下し、命を奪ってしまいます。
このようなとき、ビバークしなければならなくなり、できる限り風当たりを避け、樹林帯や岩陰などに露営をすることになります。

冬山では、
1.ツェルト、シュラフカバー、敷きマット、ローソク、ブタンガスコンロ、シュラフ(寝袋)、シートなどを持っていますか?
2.雪質、雪の厚さ(深さ)はどうか。
3.風の通り道になっていないか。
4.近くに大きな木があるかどうか。(木の真下は、落雪で危険)
5.そのた
などの装備が必要になります。

雪洞

雪洞は、積雪が2.5メートル以上あれば掘ることができます。
雪洞は、けっこう体力を必要としますが、雪洞の中にツェルトを張るとかなり快適となります。
(キャンプのようではありませんが・・・。)
ツェルトは、ピッケルやストックなどを利用してテントのように張ることができれば快適。
(ツェルト:最近では、ゴアテックス製や内フレーム付きのものもが多くなっていますが、軽量の極薄ナイロン製のもので充分です。)

雪洞の入り口に風が入るときは、前に雪のブロックを作るといいでしょう。
ただし、わずかな隙間を作ることも忘れないでください。
雪洞内の気温は、外気温が−20℃以上でも 0℃〜-5℃以下になることはあまりありません。
(体験ですが絶対ではありません。)
また、以外と静かですし、雪山にしてみれば快適?な環境です。

注意:日本の山岳地帯は、おもに西、北西からの風が吹きますので東、南東斜面に雪洞を掘ればいいと考えられますが、東、南東斜面は積雪が多く雪崩に遭遇することがありますので注意が必要です。
また西斜面に雪洞を掘ったとき、北西からの猛烈な風によて雪洞が削りとられ遭難という事故も起きています。
稜線上の風下では、雪庇も発達することが多く、雪庇雪崩や踏み抜きによる滑落がありますので充分注意しなければなりません。
したがって、「絶対安全ではない」ことに留意してください。



イグルー

通称日本では、昔から「かまくら」とよばれ、雪が少ない場合に作ります。
でも、一人で雪を集めるのが大変、かなり難しい作業だと思います。
大勢いるときはさほど大変ではないと思います。
短時間でイグルーを作るとき、数人分のザックをまとめシートをかぶせ、そして雪を盛って行きます。

このとき、雪の厚みが薄ければ崩壊してしまいますので出来るだけ広い範囲に多くの雪を盛ります。
そして、横穴を掘り、ザックを取り出し内部を成形します。
以上でできあがりですが、雪質などによって上手くいかない場合がありますので、前もって一度製作にチャレンジしておくと良いでしょう。。


ビバークでの過ごし方

ビバークでは体温の保持が何より重要です。
衣類は汗をかかない程度(ほとんど汗をかくことは無いと思いいますが)着込み、襟首までファスナーをしっかり閉めフードをかぶりましょう。
吐息で顔周辺が凍り付いたり、襟元に凍結した吐息が付着するのをふせぐためフードで口を塞がないようにしましょう。

足先の血行が悪くならないようにブーツに付着した雪などを除去し、予備の靴下に履きかえ靴紐を緩め、
(非常のため脱がない方が好ましい。)
足(靴)を大きめのレジ袋など入れ更にザックなどに入れ、シュラフカバー(耐-20℃シュラフがあればBESTだが)などで体を包み体温の低下を防ぎます。

保温対策ができ、暗くなる前に、バーナーで雪を溶かし、暖かい飲み物などで体を暖めましょう。
コーヒやカップ麺を食べ体力をつけておきます。
最近では、チューブ式のコンデンスミルクなどでホットミルクが作れますので以外と便利です。
非常食などは一気に食べないで残しておくのも重要かと思います。

睡眠
ビバーク中に眠るとそのまま凍死してしまうなんて思われてますが、低体温症になって意識が朦朧としたり、思考が著しく低下したり、極度の疲労のときは危険ですが、そのような事態でなければ大抵寒さで熟睡できないはずです。
とにかく暖かい物を食べ、余った湯はボトルなどに入れタオルを巻いてフトコロに入れ、ブタンガスコンロで暖をとり、翌日の行動に備え、少しでも睡眠をとり体力の回復をはかるのがいいでしょう。

とにかく、決して慌てないで冷静沈着に行動することが何よりも大切です。
ビバークは、経験豊富な指導者のもと安全な場所を選び、訓練をしておくことが賢明です。
この訓練がいい経験となり、より安全な冬山歩きの源になるのではないかと思います。




単独行で山歩きした加藤文太郎氏の冬山登山回顧録(以下ほぼ原文掲載ですので読みにくいかも知れません)

天侯について

天侯は初冬の頃は一日のうちでも晴れたり曇ったりというようによく変化をするが、そのかわり大した荒れはない。
すなわち晴天と荒天が曇天を中心として振りわけに小さい波形で変化をして行くのである。

真冬になるに従ってこの変化の中で曇天から下の荒天の部分の波がだんだん大きくかつ長くなり、たいてい晴天一日、曇天一日、荒天二日という調子を繰返すようになる。
そして春が近づくとまた初冬のように振りわけの波形に変るが、今度は大変ピッチの長い波になるようである。
すなわち二日も三日も晴天がつづいたり、また荒天がつづいたりするのである。
しかしこれらの天候中晴天の日と曇天の日はまず安全な登山日和だといえる。


晴天になる前兆
普通降雪後は風が出て、<・・・中略・・・> 山の中腹以下から見ていると、ときどきこの雪雲が切れてその隙間に青空が見え出す、<・・・中略・・・>  山頂附近からならこの雪雲は霧であって、この霧の切れ目に青空が見え出すわけである。

そしてまたこれが暗いときならこの雲や霧の切れるごとにチラリチラリと星が見えるのである。
もうこうなれぱ天候は全く回復しているのである。

ただし雲が切れて行っても青空が見えぬとき、すなわち上空がまだ曇っているような場合はもう一度荒れると確信してよい。
山頂附近には両方とも雪を降らすが、山麓では第一回の荒れが雨で、第二回目の荒れには雪に変るのであって、こういうように気温が下って行って、初めて晴れ上るのである。

降雪が夜中に止むと朝方には山の中腹に霧が立ち込めていることが多い。
しかしこの霧は一部分に薄くかかっているだけで、夜が明け出すと非常に明るく感ずるからよくわかる。

こんなときはたいてい丸一日晴天だから夜が明けてから様子をよく見定めて後出発しても遅くはない、で気をつけてこの機会を取り逃がさぬようにしなければならぬ。
降雪が午後からやんで夜通し星が出ていれば、その問晴天が逃げて行くわけだから、翌日はできるだけ早く出発して午後には安全地帯に到着しているようにしないと荒天に逢うおそれがある。

荒天になる前兆
晴天であった日の夕方にわかに生暖い風が吹き始めたかと思うと青空に刷毛で掃いたような雲ができる。
また谷問に雲がポーツと浮いて、それが見る間に拡がって上昇を始め、たちまち山も谷も辺り一面を包んでしまうこともある。

だが、普通は南々西の方に雲ができて、それがだんだん南風に運ぱれてきては知らぬ問に消えているうちしばらくすると上空が白く曇ってくる。
こうなれぱ全く天天候は崩れてきた訳である。
朝焼けのするのは上空が曇っている証拠であるから、朝焼けも荒天の前兆である。
そしてこの上空にできた雲はすぐ下ってきて雪になる。

<・・・中略・・・> 

雪の降り方がだんだん減って、雲が薄くなり始め、全く雲や霧が消えて晴天になり、中空にポーツと綿のような雲ができてそろそろ天候が崩れ始め、上空が白く曇ってくると、もう全く天候は崩れてすぐ雲は下って雪を降らすということになる。
だから最初の雲や霧が薄くなり出して隙問に青空の見え出したときに登山を開始するのが最も安全な訳である。


雪崩について

降雪
普通降り始めは湿雪でだんだん乾燥雪に変って降雪が止む。
雪質が乾燥しているほど雪崩れやすく、また風等の外力の影響を感じやすい。
しかも雪崩の速度も早く、傾斜のないところまで飛んで行って被害を及ぼすものである。
だから降り始めよりも、降雪の止む頃の方が危険である。

冬の降雪はたいてい一日くらいで止むが、稀には三日もつづくことがある。
この場合こそ最も大きな雪崩の出るときである。
故に日数の都合で降雪中の登降を試みるなら、雪の降り始めに行うぺきで、決して降雪の止む頃に敢行してはならない。

降雨
雨量が小量の場合は湿雪の降ったのと同様、概して雪崩を誘起しないが、多量のときは積っている雪の中まで浸潤して、その雪を湿潤雪とし最後には粒子のあいだを流れて滑剤となり、恐るぺき雪崩発生の原因となる。
冬期に降雨のあることは稀であるが、それでも一月に一、二度はあるらしい。
雪崩の起るのは多く急傾斜のところで被害も緩傾斜のところへは及ぱないようである。
そして積雪量の少ないところは底雪崩となりやすいから地肌にも影響される。

降雨直後の晴天の日は、冬から急に春に変ったと思われるほど暖い日でない限り、すなわち普通の冬期の晴天なら雪崩は他のいかなる場合よりも少ない。
相当の粉雪量が積った上に風、日光等で丈夫なクラストを作っている場合は、
それに雨が入り込むと中の粉雪は湿雪に変って容積が少なくなりクラストの下に中空を形成するから、もし表面のクラストが溶けて破れるほど気温が上昇すれぱ、雪崩発生の原因となる訳である。

しかしこれほど気温の上昇する日はそれが降雨直後でなかったらなお一層激しい雪崩日であろう。
とはいえ降雨直後は往々かように暖いと思われるほどの晴天の日があるものだ。

曇り日や霧の日
こんな日には風でもひどくない限り余り雪崩は起らない。
これが降雪直後であっても気温等の変化が急には起らないので、雪は徐々に旧雪に変る。
多くは晴天後のことなので全く雪崩から解放されているといってよい。

以上のような日はあまり登山をしたくない。
それは危険というよりも、晴天の日に比較して不愉快だからである。
そして特に降雪の長くつづいているときと、降雨の日は小屋にいるのが退屈になったからといってスキーの練習等に出ない方がよい。

快晴の日
冬期でも降雪直後の快晴の目は気温の上昇によって雪崩れるのであるが、それにしてもそれほど気温の影響を受けるのは日射面でかつ高度の低いところのみである。

この場合の雪崩は湿雪雪崩であるから、急斜面にしか起らないうえ、30度以下の斜面には流動してこない。
そのうえ音が大きく、流動速度が遅いし、春の雪崩とは比較にならないほど小さなものである。

だいたいにおいて春期の雪崩と同じような条件で起るが、最初の雪質が粉雪とザラメ雪というようにかなり差があるし、気温は春期とは比較にならないほど低いのでまず間題にならない。

この気温や日射によって出る雪崩より降雪直後、まだ霧のかかっているときに風等の外力によって発生する雪崩の方が危険であるから、青空が見え出したからといって登山をむやみに開始してはならない。

すなわち降雪が朝方か夜中に止んだ場合は、翌目太陽が出るとぐんぐん気温が上るから、明るくなってから出発すれば危険な粉雪雪崩に逢うことがないし、夕方雪が止んだ場合はすぐ出かけるのは危険だから相当時問をおいて、朝方出発するように気をつけなければならない。

以上天侯と雪崩を綜合してみると、晴天の終りから曇天にかけて登山をすれぱ一番安全であるが、曇天のあいだの長さが一定していないので、やはり晴天の初めが朝であるならすぐ出発し、夕方なら翌朝早めに出発する。
また雪崩の方は南向斜面を注意すれぱよいであろう。(1935年12月5日)

                              参考文献:加藤文太郎著 出版:株式会社二見書房