| 残雪の石鎚山登頂紀 (土小屋・鶴ノ子ノ頭から東稜〜天狗岳直登紀行) 2000.04.08 |
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| 09:25am | これから5分ほど進むと、登山道が北東側になり昨年から踏みつけられた痩せた雪が顔を覗かせる。 ここから雪の厚さが増し、足の置き場がだんだん悪くなって行く。 「道が無くなったようだね。」 「少しこわいかも・・・・」 と言いながらもいつも頑張り屋のHKさんは至って元気な声を出している。 もう20分近く進んだだろうか、積雪が1.5m以上に達している。 |
| 09:50am | 雪に身を隠した案内板の上部が顔を覗かせている。 この付近が土小屋一般ルートと東稜ルートの分かれである。 あまりの積雪に困惑した表情で「どうする。?」KSさんが尋ねる。 例年に比べて今年の4月上旬の積雪はかなり多いと思われる。 「山は逃げないから一般ルートでもいいよ」 私はためらいもなく言ってしまった。本心は、チャレンジしたい気分もあったが、・・・・ 「行けるところまで行こうよ!。」 となりでTSさんが願望をかなえてほしい表情である。 「じゃ頑張っていきますか。」 KSさんが言う。 「それじゃーアイゼンを付けよう」 「その前にキャラメルでもたべて・・・・」 やっぱり色気より食い気か。乙女心はずいぶん昔の話・・・・・ 全員アイゼンを装着する。 私とKSさんは、一般のアイゼン・その他の人たちは軽アイゼンである。 少し不安な感じがする。 「それじゃー出発するよ。」 KSさんが威勢良く急斜面を駆け上がる。 「リュックいらないの?」 すました顔で質問する。 「あっつ」 KSさんの照れくさそうな表情に全員笑いの渦に入る。 これで緊張の糸が切れたみたいである。 アイスバーンになった岩場を超え、時折のぞかせる笹の斜面を駆け上がる。 高度を上げるにしたがい積雪の量とアイスバーンの岩が多くなってくる。 蟹の横這いの岩を無事通過し、1.5時間ぐらい歩いただろうか、前方に広がった矢筈岩が見える。 「わーすごーい」 彼女の驚嘆の声が響く。 矢筈岩の手前に急斜面が立ちはだかっているではないか。 それも2箇所も・・・・・・ 「大丈夫。北アルプス北穂下のA沢のコルから長谷川ピーク付近の下降ルートに比べればどってことないよ。」 「なめたらアカンけどな。」 私は、彼女たちの不安を払拭しなければいけないし、多少悩んだが・・・・・。 最初KSさんがラッセルし、ルートを確保、その後FOさんからひとりづつ雪の急斜面を登って行く。 私・HKさん・TSさんと続く。 全員無事通過。 |
| 雪に埋もれた一部顔を出した笹原を超え痩せ尾根に出る。 ここで小休止をとる。 一羽の鳥が吹雪に耐えた細い枝の先に体を休め、私達を眺めている。 少し濃い灰色がかった岩烏?のようである。 「じゃー我々も出発しようか」 このとき、そばにいた鳥も強い風にあおられながら過ぎ去って行った。 「あの鳥飛ぶのが下手みたーい」 たしかHKさんが言ったみたいである。 「風が強いからだよ」 「そうだったの、そうなんだー」 いきなり大きな岩が立ちはだかっている。 先陣のKSさんが後方のFOさんをサポートし、私がHKさんを引っ張りあげる。 「あっと手袋おとしちゃった」 下に待機していたTSさんが拾い上げてくれる。 全員無事巨岩をクリアーする。 しかし、ここから急登の連続である。 左に墓場尾根の大砲岩を望むポイントにさしかかる、高度感抜群である。 時折アイスバーンになった岩をゆっくりと登りこむ。 かなりの疲労感が漂う一帯である。 全員無事通過する。 頭を持ち上げると前には、我々に覆い被さってきそうな南先鋒が天に突き刺さっているようであった。 直下数百mあるだろうか?切り立った岩である。 ![]() 「もう少しだ」 「もう引き返すことがむりだね」 「やだよねー」 FOさんの前向き?の気持ちか、恐怖心からくる言葉か?・・・・・・ 南先鋒を超え後方の右手には、墓場尾根(お墓の塔のような柱状節理の岩でできた尾根でこのような名前がついたものとおもわれる。)に大砲岩が一際目立って見える。 高度感抜群、北側には、石鎚山の最高峰いや西日本の最高峰・霊峰天狗岳が見える。 南先鋒から望む 石鎚山天狗岳(1,982m) 「もう一息」 「そうねー最高の気分」 冬化粧の西の冠山・二の森・堂が森の1800から1900m級のの美しい山容が私達の一粒の体を包み込んでいる。 東を眺めると白衣の西黒森山・瓶ヶ森や遠く笹ケ峰・赤石山系が一際美しい最高の眺望である。 |
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| 12:25pm | 天狗岳到着。 頂上付近は春とかいえ眩い太陽に照らされさすが雪の気配は無い。 天狗岳で記念撮影をしたのち弥山に向かう。 |
| 12:45pm | 弥山到着。 ここが石鎚山の頂上である。 少し遅くなった昼食をとる。 山頂には、松山市から来たというお揃いの身だしなみのご夫婦と山談議に弾む。 いろいろ話しているうちインターネットをしているという。 「HPだしているのですか?」 「はい」 私がさらに「やまじ風」のタイトルで掲載していることを伝える。 「それなら見せてもらっています。」 「ありがとうございます。今回の登山たぶんHPに載せると思います。」 「たのしみにしていますから・・・・・」 「じゃーさようなら」 ご夫婦が立ち去っていった。 私達もアイゼンを装着する。 |
| 13:40pm | 弥山を出発。 ここから20mほど下降したところから1.5m程度の積雪が続く。 |
| 14:10pm | 二の鎖小屋に到着。 小屋の屋根までの積雪である。 |
| 14:45pm | 東稜分岐 |
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| 西日本最高峰 石鎚山天狗岳山頂 | ||
| 15:05am | 鶴の子の頭付近で5分ほどの休憩をとる。 |
| 15:50am | 土小屋登山口に帰還する。 「私最高の気分でした。ありがとうございました。」 「私も感激 ありがとう」 まだまだ厳しかった雪山難コースにて登頂した喜びとその感激の余韻に浸ってやまなかったようである。 |