「山路風」と「山路風山岳会」の仲間たちの登山日記


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 くじゅう・坊がつる山紀行
残雪の石鎚山登頂紀 (土小屋・鶴ノ子ノ頭から東稜〜天狗岳直登紀行)
2000.04.08
南先鋒方面から石鎚山天狗岳(1,982m)
この方向からの撮影は少ない
 2000年04月08日(土)天候:晴れ 気温:8℃
メンバーの構成:5名(M:3名 F:2名)にて直接天狗岳へ登頂しました。

06:00am 取りあえず、三島・川之江・松山組の3名が私の家に集合。
4月の夜明けは、夏にくらべまだまだ薄暗い感じがする。
それでも、定刻までには全員時間を遵守し、集合する。
「おはようございまーす。新顔の篠原です。よろしく!」
(われわれグループにはじめて参加した私の友人です。)
「KSさんも行ってくれるようになったので、土居へ行くよ」
前日私が連絡をとっておいたのだ。
普段なら仕事の関係で参加できない場合が多かったのですが、ちょうど休暇が取れるとの一報があり、急遽参加OKとなったのである。
「じゃーこれからコンビニに寄って、KSさんち(リーダー)へ行こう。」
「了解」
各々の車でKSさん宅へ向かう。

06:15am KSさん宅に到着。
ここで全員私の車に荷物を積み込む。
今日のパーティーは、HKさん・松山のFOさん・友達のTSさん・それに私とSKさんの5名である。
全員元気そうな5名であった。
「それじゃー行きますか!」
それぞれパジェロに乗り込む。
運転はやっぱり私である。
薄明るい空には、ガスが立ちこめている。
ちょうどリーダーの自宅前の二ツ岳はガスで覆われている。
長年の感では今日はいい天気だと思う。

三島・川之江ICから土小屋登山口までの道のり

参考までに
三島・川之江ICから大阪(吹田IC中国道・山陽道・瀬戸大橋ルート):約298Km/3時間
三島・川之江ICから広島(広島東IC山陽道・瀬戸大橋ルート):約320Km/3.5時間
三島・川之江ICから高松:1時間
三島・川之江ICから高知:1時間
三島・川之江ICから岡山:1時間

三島・川之江IC−(38km/25分)−西条IC−(40km/45分)−本川村役場−(19km/35分)−白猪谷−(11km/20分)−よさこい峠− (3Km/6分)−土小屋登山口

土小屋登山口では、500台程度の駐車スペースがありますが、行楽シーズンでは、かなり混雑します。)


06:25am 出発、アクセルを踏み一路土小屋を目指す。
4月の早朝の柔らかい光がうっすらと大地を照らす。

07:05am 時間も早いので高速道路は走らない。
国道11号線を西条に向かってひたすら走ること40分。
西条市内に流れる加茂川(二級河川)にさしかかる。
この橋を渡り左折し、国道194号線にはいり高知県方面に向かう。
加茂川河川敷には、早朝にもかかわらず、花見の準備をしている人が数名いるではないか。
この河川敷には、まるでピンクの覆いを羽織った桜の一団が所狭しと並んでいる。
「今日明日が最後の花見だね。」
西条の山々にもピンクの笑窪の花が添えられている。
国道194号線に入り、およそ2.5Kmで成就社経由石鎚登山ルートと土小屋ルートの分岐点にさしかかる。
私たちは、ここを194号線に沿って左にルートを採ることにする。
ここから道幅が広くなり快適に走行する。
10分ほど走ると「チロルの森」にさしかかる。
途中一部道路が痩せている。(細くなっているつもり)

07:20am 石鎚公園線の道路標識を右折。
高知県本川村役場前到着。
さーここから道幅が狭くなる。
スピードを控え細い道だが、舗装の程度はいいので乗用車でも充分走行可能である。
暦では春であるが、山の木々は、まだまだ冬の装いである。
「だいぶ明るくなってきたね」
「うん。」
「ここから見えるあの山は手箱山かなー」
「たぶんそうだと思うよ」
小枝の隙間かの眺望はまずまずである
外気温度は2℃程度である。
赤い橋をわたり40分ほど走っただろうか高度計が1000mを指す。

08:25pm よさこい峠到着。
ここを左折、道は多少アイスバーンになっている。

08:30am 土小屋登山口到着。
車から出るとかなり寒い。
「結構冷えるね。」
FOさんかHKさんの声がした。
「かっぱ(レインウェアー)つけようか?」
みんながうなずき、各自装着しながら、
「防寒帽子もいるね。」
「そうだね」
「私忘れちゃった−」
HKさんの失望感を感じる.
彼女がせっかく洗濯し返してくれたた帽子を再度彼女に渡す。
「俺、別のがあるから使っていいよ」
「ありがとう」
これで全員だいじょうぶみたいだ。

08:43am さー出発進行。!
KSさんを先頭に、FOさん・HKさん・私・TSさんと続く。
今回は、天野さんのHP「愛媛の山」 をあらかじめ熟読し、コピーを持ってくるつもりであったが、つい忘れたしまった。
最初は、南斜面を歩くため雪もなく快適である。
約10分も経たないうち黒く化粧のはげた雪が顔をのぞかせる。
でもまだアイゼンを装着する必要はない。
「だんだんあつくなってきたね」
「結構あついね」
「ちょっと着込みすぎかなー」
いろいろだべりながら足を運ぶ。

09:20am 鶴の子の頭近くのベンチで小休止をとる。
約10分の休憩ののち出発。

09:25am これから5分ほど進むと、登山道が北東側になり昨年から踏みつけられた痩せた雪が顔を覗かせる。
ここから雪の厚さが増し、足の置き場がだんだん悪くなって行く。
「道が無くなったようだね。」
「少しこわいかも・・・・」
と言いながらもいつも頑張り屋のHKさんは至って元気な声を出している。
もう20分近く進んだだろうか、積雪が1.5m以上に達している。

09:50am 雪に身を隠した案内板の上部が顔を覗かせている。
この付近が土小屋一般ルートと東稜ルートの分かれである。
あまりの積雪に困惑した表情で「どうする。?」KSさんが尋ねる。
例年に比べて今年の4月上旬の積雪はかなり多いと思われる。
「山は逃げないから一般ルートでもいいよ」
私はためらいもなく言ってしまった。本心は、チャレンジしたい気分もあったが、・・・・
「行けるところまで行こうよ!。」
となりでTSさんが願望をかなえてほしい表情である。
「じゃ頑張っていきますか。」
KSさんが言う。
「それじゃーアイゼンを付けよう」
「その前にキャラメルでもたべて・・・・」
やっぱり色気より食い気か。乙女心はずいぶん昔の話・・・・・
全員アイゼンを装着する。
私とKSさんは、一般のアイゼン・その他の人たちは軽アイゼンである。
少し不安な感じがする。
「それじゃー出発するよ。」
KSさんが威勢良く急斜面を駆け上がる。
「リュックいらないの?」
すました顔で質問する。
「あっつ」
KSさんの照れくさそうな表情に全員笑いの渦に入る。
これで緊張の糸が切れたみたいである。
アイスバーンになった岩場を超え、時折のぞかせる笹の斜面を駆け上がる。
高度を上げるにしたがい積雪の量とアイスバーンの岩が多くなってくる。
蟹の横這いの岩を無事通過し、1.5時間ぐらい歩いただろうか、前方に広がった矢筈岩が見える。
「わーすごーい」
彼女の驚嘆の声が響く。
矢筈岩の手前に急斜面が立ちはだかっているではないか。
それも2箇所も・・・・・・
「大丈夫。北アルプス北穂下のA沢のコルから長谷川ピーク付近の下降ルートに比べればどってことないよ。」
「なめたらアカンけどな。」
私は、彼女たちの不安を払拭しなければいけないし、多少悩んだが・・・・・。
最初KSさんがラッセルし、ルートを確保、その後FOさんからひとりづつ雪の急斜面を登って行く。
私・HKさん・TSさんと続く。
全員無事通過。
雪に埋もれた一部顔を出した笹原を超え痩せ尾根に出る。
ここで小休止をとる。
一羽の鳥が吹雪に耐えた細い枝の先に体を休め、私達を眺めている。
少し濃い灰色がかった岩烏?のようである。
「じゃー我々も出発しようか」
このとき、そばにいた鳥も強い風にあおられながら過ぎ去って行った。
「あの鳥飛ぶのが下手みたーい」
たしかHKさんが言ったみたいである。
「風が強いからだよ」
「そうだったの、そうなんだー」
いきなり大きな岩が立ちはだかっている。
先陣のKSさんが後方のFOさんをサポートし、私がHKさんを引っ張りあげる。
「あっと手袋おとしちゃった」
下に待機していたTSさんが拾い上げてくれる。
全員無事巨岩をクリアーする。
しかし、ここから急登の連続である。
左に墓場尾根の大砲岩を望むポイントにさしかかる、高度感抜群である。
時折アイスバーンになった岩をゆっくりと登りこむ。
かなりの疲労感が漂う一帯である。
全員無事通過する。
頭を持ち上げると前には、我々に覆い被さってきそうな南先鋒が天に突き刺さっているようであった。
直下数百mあるだろうか?切り立った岩である。

「もう少しだ」
「もう引き返すことがむりだね」
「やだよねー」
FOさんの前向き?の気持ちか、恐怖心からくる言葉か?・・・・・・
南先鋒を超え後方の右手には、墓場尾根(お墓の塔のような柱状節理の岩でできた尾根でこのような名前がついたものとおもわれる。)に大砲岩が一際目立って見える。
高度感抜群、北側には、石鎚山の最高峰いや西日本の最高峰・霊峰天狗岳が見える。







                           写真は、南先鋒から望む天狗岳(1,982m)
「もう一息」
「そうねー最高の気分」
冬化粧の西の冠山・二の森・堂が森の1800から1900m級のの美しい山容が私達の一粒の体を包み込んでいる。
東を眺めると白衣の西黒森山・瓶ヶ森や遠く笹ケ峰・赤石山系が一際美しい最高の眺望である。

12:25pm 天狗岳到着。
頂上付近は春とかいえ眩い太陽に照らされさすが雪の気配は無い。
天狗岳で記念撮影をしたのち弥山に向かう。

12:45pm 弥山到着。
ここが石鎚山の頂上である。
少し遅くなった昼食をとる。
山頂には、松山市から来たというお揃いの身だしなみのご夫婦と山談議に弾む。
いろいろ話しているうちインターネットをしているという。
「HPだしているのですか?」
「はい」
私がさらに「やまじ風」のタイトルで掲載していることを伝える。
「それなら見せてもらっています。」
「ありがとうございます。今回の登山たぶんHPに載せると思います。」
「たのしみにしていますから・・・・・」
「じゃーさようなら」
ご夫婦が立ち去っていった。
私達もアイゼンを装着する。

13:40pm 弥山を出発。
ここから20mほど下降したところから1.5m程度の積雪が続く。

14:10pm 二の鎖小屋に到着。
小屋の屋根までの積雪である。

14:45pm 東稜分岐
西日本最高峰 石鎚山天狗岳山頂
15:05am 鶴の子の頭付近で5分ほどの休憩をとる。
15:50am 土小屋登山口に帰還する。
「私最高の気分でした。ありがとうございました。」
「私も感激 ありがとう」
まだまだ厳しかった雪山難コースにて登頂した喜びとその感激の余韻に浸ってやまなかったようである。